再保険最大手の独Muenchener Rueck(ミュンヘン)が7日発表した2010年1-3月期(第1四半期)連結決算の最終利益は4億8,500万ユーロで、前年同期から11.0%増加した。保有する社債などを好条件で放出したことが大きく、金融投資の収益は80.0%増の24億6,000万ユーロに拡大している。ただ、今後はこうしたチャンスを見込めないほか、自然災害の保険金支払いも増える見通しため、同社は2010年通期の最終利益で20億以上を目指すとした目標の実現が難しくなってきたとの見方を示した。
\自然災害は再保険業界の大きな負担となっており、競合のSwiss ReとHannover Rueckも1-3月期決算でしわ寄せを受けた。Muenchener Rueckでは自然災害関係の保険金支払い額が前年同期の1億8,700万ユーロから約7億ユーロへと大幅に拡大している。チリ地震向けが5億ユーロを占めた。
\こうした事態を受け再保険事業の合算率(コンバインド・レシオ)は前年同期の97.3から109.2へと上昇し、支出が収入を上回る状態となった。現在も続くメキシコ湾の原油流出事故では保険金支払い額が1億ユーロを超える見通しという。
\一方、収益力が低いとして株主から批判を受けてきた元受保険子会社Ergoは業績を大きく伸ばした。営業利益で前年同期比298.4%増の2億5,100万ユーロを確保。最終損益は前年同期の赤字(5,900万ユーロ)から1億6,500万ユーロの黒字へと転換した。
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