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2010/5/12

経済産業情報

電気自動車の販売、ニッチメーカーが先行

この記事の要約

電気自動車(EV)の普及台数を2020年までに100万台とする目標を掲げるドイツでEVを量産する大手自動車メーカーはまだない。そうしたなかニッチメーカーのスマイル(所在地アウプ)はこれまでに自社生産の3輪EV「City […]

電気自動車(EV)の普及台数を2020年までに100万台とする目標を掲げるドイツでEVを量産する大手自動車メーカーはまだない。そうしたなかニッチメーカーのスマイル(所在地アウプ)はこれまでに自社生産の3輪EV「City EL」やインド、イタリアから輸入した「Reva」「Tazzari Zero」など約9,000台のEVを販売、大手に先行している。10日付『ヴェルト』紙が報じた。

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スマイルのカール・ネストマイアー社長によると、同社は国内20カ所にある販売店「スマイル・センター」を年内にさらに100~120カ所増設し、ディーラー、サービス網を拡大する計画。ベルリンでは4週間以内に2~3店舗が新規オープンする見通しだ。

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ただ、同社長はEV普及のかぎはベルリンなどの大都市でなく地方にあると指摘する。地方では一戸建て住宅が多いため、コストのかかる充電スタンドを整備しなくても、自宅で充電することができるためだ。地方の消費者のEVへの関心は都市部よりも高いという。

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大手自動車メーカーでは年内に三菱自動車がEV「アイ・ミーブ(i-MiEV)」を、PSAプジョー・シトロエンが「アイ・ミーブ」をベースにしたプジョー「iOn」、シトロエン「C-zero」を欧州市場で発売する予定。ディーラーによると「アイ・ミーブ」のドイツでの販売価格は4万9,000ユーロになる見通し。スマイルが販売する約2万4,000ユーロの「Tazzari Zero」のほぼ2倍の価格だが、三菱は早ければ2015年、遅くとも2017年には1万7,000ユーロまで引き下げることを目指している。

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