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2010/5/12

総合 - ドイツ経済ニュース

ソーラー電力買い取り価格引き下げ、議会が承認

この記事の要約

再生可能エネルギー法(EEG)改正案が6日、連邦議会(下院)で可決された。電力会社が買い取るソーラー電力の価格引き下げと、ソーラー電力の自家利用に対する助成額の拡大が主な改正点。電力会社の買い取り価格低減に対しては野党が […]

再生可能エネルギー法(EEG)改正案が6日、連邦議会(下院)で可決された。電力会社が買い取るソーラー電力の価格引き下げと、ソーラー電力の自家利用に対する助成額の拡大が主な改正点。電力会社の買い取り価格低減に対しては野党が強く反対したが、与党は太陽光発電の価格急落を受け屋根などへの設置コストが下がっていることなどを挙げ、法案を押し切った格好だ。新ルールは7月1日から適用される。

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EEGでは太陽電池で発電された電力の買い取りを電力会社に義務づけている。買い取り価格は火力発電所などの電力などに比べ割高なため、その差額は電力料金に上乗せされ消費者に転嫁される。ノルベルト・レットゲン環境相はこれを踏まえ「一部の太陽光発電施設が2ケタ台の利益率を上げる一方で、電力消費者がその費用負担を強いられる現状は公正でない」と述べ、買い取り価格引き下げの正当性を強調した。

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改正法が施行される7月1日以降の買い取り価格は屋根設置型の設備で1キロワット時(kWh)当たり16%減の33セント、工場・基地跡地に設置した場合で同11%減の25セントとなる。また、農地に設置する施設は助成対象から除外される。

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一方、ソーラー電力を自家利用する家庭などへの助成額はこれまでの3セントから8セントに引き上げられる。この措置の背景にはソーラー電力と在来型電力の発電コストが2013年までに同額になる見通しのため、ソーラー電力の普及に向け売電への助成を続ける意義が今後、低下していくという事情がある。連邦環境省はソーラー電力の自家利用が増えればそれに欠かせない家庭用蓄電設備の技術革新などが進むと期待している。

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