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2010/6/9

企業情報

Pelikan AG―収益力強化へ、買収も検討―

この記事の要約

スイスに本社を置く欧州文具大手のPelikan(フォイシスベルク)がフィットネスを強化する。先ごろ買収した独同業Herlitzとの業務集約を進めるほか、新たな買収も検討。収益力を高めると同時に事業規模の拡大を通して流通業 […]

スイスに本社を置く欧州文具大手のPelikan(フォイシスベルク)がフィットネスを強化する。先ごろ買収した独同業Herlitzとの業務集約を進めるほか、新たな買収も検討。収益力を高めると同時に事業規模の拡大を通して流通業者に対する立場も強めていく意向だ。欧州事業を統括するアルノ・アルベルティ氏が『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙に対し明らかにした。

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同社はHerlitzの株式を約69%取得し、傘下に収めた。現在は物流業務の共通化を進めており、すでにベルリン郊外のファルケンゼーにあるHerlitzのロジスティック・センターを両社共通の物流統括拠点とした。年内には進出先地域のすべてで倉庫の統廃合を終了する予定。将来的には生産、調達、販売、マーケティング、製品開発の分野でもシナジー効果を追求していく。

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欧州の文具業界では昔ながらの中堅メーカーが多い一方で、顧客の流通大手は事業のグローバル化を通して価格交渉力を強化している。そのしわ寄せでPelikanの従来からの顧客である文具専門店は利益が圧迫され、Pelikanもしわ寄せを受けている。文具メーカーのさらなる買収を目指すのはこのためで、欧州のほかアジア、ラテンアメリカで標的となる企業を模索する意向だ。

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