環境との相互作用を通して人の動作を自律的に模倣学習するロボット(ヒューマノイド)を開発する国際研究プロジェクト「AMARSi」がこのほど、スタートした。電子工学、脳科学、機械学習、発達心理学など様々な角度から研究を進め、自然で柔軟な動きを獲得できるロボットを目指す。
\既存のロボットは人間に比べて運動性能が大きく劣っており、行える動作は「二足歩行」「物をつかむ」「投げる」などに限られている。動きもぎこちない。また、運動パターンや制御の方法を予め入力しておく従来の方法では、環境の変化に対応できないという問題がある。このため、子供が親や周囲の環境などあらゆるものと接触しながら運動能力を発達させていくように、状況に適応して自律的に知識を増やしていくロボットの開発に大きな関心が集まっている。
\研究チームは欧州連合(EU)が支援するヒューマノイド開発プロジェクト「Robotcub」で開発された幼児型ロボット「iCub」と、スイス・ローザンヌ工科大学(EPFL)が開発したチーター型ロボットを使い、今後4年をかけて研究を進める。
\AMARSiはEUの第7次研究枠組み計画(FP7)の一環で、ドイツ、スイス、イタリア、オーストリア、イスラエルの10大学・機関が参加するほか、日米の研究機関とも提携している。予算総額は920万ユーロで、このうち700万ユーロをEUが支援する。
\