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2010/6/23

経済産業情報

カルテル摘発が増加、捜査体制の強化など奏功

この記事の要約

ドイツ連邦カルテル庁が近年、カルテル捜査を強化している。摘発件数の増加とともに罰金総額も拡大しており、今月10日にはメガネレンズ大手5社や業界団体などに対し総額1億1,500万ユーロの課徴金支払いを命じた。昨年12月にも […]

ドイツ連邦カルテル庁が近年、カルテル捜査を強化している。摘発件数の増加とともに罰金総額も拡大しており、今月10日にはメガネレンズ大手5社や業界団体などに対し総額1億1,500万ユーロの課徴金支払いを命じた。昨年12月にもコーヒー豆3社とその社員に総額1億5,950万ユーロの支払いを命じている。

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同庁の関係者が『ヴェルト』紙(15日付)に語ったところによると、カルテルの摘発件数は3年前から増加し、罰金額も大幅に増えた。課徴金の額は2007年が計1億1,400万ユーロで、08年には1993年~03年の合計額に相当する3億1,700万ユーロに達した。09、10年のデータはまだ公開されていないが、増加傾向は続いているという。

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摘発件数が増えた背景には、捜査体制が強化されたことがある。以前は庁内にカルテル捜査だけを管轄する部署がなかったが、02年に同捜査を専門とする2つの委員会と特別委員会が新たに設置された。

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カルテル行為を当局に通報した内部共犯者への制裁を免除する規定が00年に導入されたことも摘発増につながった。03年にはセメント業界の大型カルテルが内部通報で摘発され、過去最高となる6億6,100万ユーロの罰金が科されている。内部通報がきっかけとなって行われる捜査は現在、全体の半分を占めるという。

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