欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/7/14

経済産業情報

船舶部品業界で危機続く、風力発電部品など新事業開拓の動きも

この記事の要約

船舶部品業界の業績回復が遅れている。造船業界はすでにゆるやかな回復基調にあるものの、部品の受注から納入までに約1年を要するため、昨年の造船不振が周期遅れで部品メーカーに到達した格好だ。\ ドイツ機械工業連盟(VDMA)に […]

船舶部品業界の業績回復が遅れている。造船業界はすでにゆるやかな回復基調にあるものの、部品の受注から納入までに約1年を要するため、昨年の造船不振が周期遅れで部品メーカーに到達した格好だ。

\

ドイツ機械工業連盟(VDMA)によると、昨年の船舶部品業界の新規受注は前年から29%減少。今年も同程度の縮小率が予想されている。売上高は7.7%減の119億ユーロとなった昨年からさらに落ち込み、2005、06年の水準(約100億ユーロ)へと後退する見通しだ。就労者7万2,000人のうち2,000~4,000人が整理される恐れがある。本格的な景気回復は2012年末以降になるという。

\

同業界の昨年の輸出比率は75%。輸出の36%がアジア向けで、中国が20%、韓国が12%とその大半を占めた。このため、メーカー各社はアジアの造船業界の景気回復に伴う受注拡大に期待している。また、海上の油田・ガス田開発向けや風力発電向けの部品など、新規事業の開拓も進めていく方針だ。

\