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2010/7/14

経済産業情報

ソーラー飛行機で夜間飛行に成功、大西洋横断が次の目標に

この記事の要約

太陽エネルギーのみを駆動源とする有人小型飛行機「Solar Impulse HB-SIA」の試作機が8日、26時間の連続飛行に成功した。ソーラー駆動で1昼夜飛び続けることに成功したのは世界で初めて。開発者のピカール・ベル […]

太陽エネルギーのみを駆動源とする有人小型飛行機「Solar Impulse HB-SIA」の試作機が8日、26時間の連続飛行に成功した。ソーラー駆動で1昼夜飛び続けることに成功したのは世界で初めて。開発者のピカール・ベルナール氏は「次は大西洋横断飛行」と早くも新たな目標に意欲をみせている。

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Solar Impuls HB-SIAは両翼と尾翼に搭載された計1万1,600個のソーラーセルで発電し飛行に必要な電気を賄う。余剰電力はリチウムイオン電池に充電されるため、太陽のない夜間でも飛行できる。全長21.85メートル(m)、全幅63.40m、全高6.40mで、重量は400キログラム(kg)のリチウムイオン電池と合わせて1,600kgにとどまる。動力源として出力0.75キロワット(10馬力)のモーター4基を搭載し、離陸速度は35キロメートル毎時(km/h)、平均速度は70km/h、上昇限界高度は8,500メートルに上る。

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Solar Impulseは7日午前6時51分、スイスのパイエルヌ空軍基地を離陸した。16時40分に高度8,700メートルに達した後、ゆっくりと下降を開始。23時に高度1,500メートルまで下りてからは翌朝9時に着陸するまで充電したエネルギーのみで飛行した。同機の操縦に当たったアンドレ・ボルシュベルク最高経営責任者(CEO)は「私は飛行の間、バッテリーの充電量が増え続けていくのを見た。消費する以上のエネルギーを作り出す飛行機に座っているのは爽快だった」と感想を述べている。

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