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2010/7/14

総合 - ドイツ経済ニュース

2011年予算案を閣議了承、新規債務は最大575億ユーロに圧縮

この記事の要約

連邦政府は7日の閣議で、2011年度予算案と2010~14年の財政計画を承認した。政府は2011年を景気対策で悪化した財政の再建元年と位置づけており、大部分の省で予算を削減。財政赤字を圧縮に乗り出す。2013年以降は新規 […]

連邦政府は7日の閣議で、2011年度予算案と2010~14年の財政計画を承認した。政府は2011年を景気対策で悪化した財政の再建元年と位置づけており、大部分の省で予算を削減。財政赤字を圧縮に乗り出す。2013年以降は新規債務の額を景気要因などを除いた構造赤字の額よりも低く抑える計画だ。

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政府は今回、2010年の財政赤字を従来見通しの802億ユーロから652億ユーロへと大幅に引き下げた。景気が予想以上に好調に推移しているためで、財政赤字削減目標をこれまでよりも達成しやすくなったとしている。

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2011年度予算案の歳出額は3,074億ユーロで、前年から3.8%減少する。削減規模が最も大きいのは社会保障分野で、所轄官庁の労働・社会省の予算は7.9%引き下げられる。農業省と交通建設省もそれぞれ6.1%減、5.0%減と削減幅が大きい。

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こうしたなか研究・教育省の予算は7.2%増と大幅に引き上げられた。将来の経済競争力のカギをにぎる分野として特別扱いされているためだ。環境省の予算も3.1%増える。

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政府が来年から財政再建に取り組むのは、昨年の憲法(基本法)改正で導入された債務制限ルール(Schuldenbremse)で、新規債務の対国内総生産(GDP)比率を2016年以降、最大0.35%に抑えることが義務づけられているため。同許容枠を短期間の取り組みで実現することは実質的に不可能なため、政府は赤字を段階的に削減していく。

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