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2012/4/25

経済産業情報

独印刷機械業界、11年は5%成長

この記事の要約

ドイツ機械工業連盟(VDMA)の印刷・製紙機械部会は17日、独業界の2011年売上高が前年比で5%増加したと発表した。12年については、欧州債務危機に伴う景気減速懸念で顧客企業が投資に慎重になっていると指摘。成長率は大き […]

ドイツ機械工業連盟(VDMA)の印刷・製紙機械部会は17日、独業界の2011年売上高が前年比で5%増加したと発表した。12年については、欧州債務危機に伴う景気減速懸念で顧客企業が投資に慎重になっていると指摘。成長率は大きく鈍化すると予想を示した。

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2011年12月-12年2月期の新規受注高は前年同期比11%減で、減少幅は独機械業界全体と同じだった。比較対象の10年末~11年初頭が非常に好調で、その反動が出た格好だ。12年1月単月の生産ラインの稼働率は83.2%。過去最低となった09年末(57.6%)から一貫して回復が続いており、現在は「過去最高と過去最低の中間レベルにある」(マルクス・ヘーリング印刷・製紙機械部会長)という。

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顧客が投資に慎重になっている背景には、景気の先行き不透明感を受けて銀行が融資を渋るようになり資金を調達しにくくなっていることがある。印刷メディアから電子メディアへの移行による印刷需要縮小で印刷・出版業界の統廃合が急速に進んでいることもマイナス要因だ。

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機械メーカーはこうした顧客側の事情を踏まえ、設備投資の余力が小さい企業向けに手ごろな価格のスタンダード製品を売り込んでいる。オートメーションの比率が下がるため人手による作業が増えるものの、印刷・製紙品質は従来品と変わらないという。

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