エネルギー大手の独Eon（デュッセルドルフ）がイタリア子会社Eon Italiaの売却を検討しているとの観測が浮上してきた。経済紙『ハンデルスブラット』が11月28日付で報じたもので、間もなく売却先の模索を開始するという。Eonは報道内容について直接、回答しなかったものの、「ポートフォリオの戦略的なオプションは常に検討しており、そのなかにはイタリアも含まれる」ことを明らかにした。
\同社は欧州最大のエネルギー事業者になるという目標の実現に向けて南欧事業を強化。スペイン、フランス、イタリアで巨額買収を行った。だが、これら3国の事業の時価は2008年の115億ユーロから11年には50億ユーロへと減少。わずか3年間で60％目減りした。
\最大の原因はイタリアとスペインを襲った財政・経済危機だ。これにより現地の電力需要が減少し、発電所の稼働率が低下した。イタリアではさらに、財政再建を進める政府が◇再生可能エネルギーへの助成を削減した◇エネルギー企業の財務負担を引き上げようとしている――という事情もあり、台所事情が苦しいEonにとって事業を続けるメリットは少ない。
\Eon Italiaは発電能力が61ギガワットで、イタリア市場で5位に付けている。時価は推定20億ユーロ強で、買収価格を下回る。
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