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2013/12/4

総合 - ドイツ経済ニュース

政権協定成立、最低賃金導入へ

この記事の要約

ドイツの2大政党である中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)は11月27日、政権協定を締結した。今後、SPDの党員投票で承認されると、正式に発効。17日の連邦議会(下院)で第 […]

ドイツの2大政党である中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)は11月27日、政権協定を締結した。今後、SPDの党員投票で承認されると、正式に発効。17日の連邦議会(下院)で第3次メルケル政権が成立する。閣僚ポストは明らかにされていないが、CDUとSPDがそれぞれ6ポストを獲得し、CSUも3ポストを手に入れるもようだ。

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同国では9月下旬に連邦議会(下院)選挙が行われ、これまでメルケル政権を担ってきた中道右派の自由民主党(FDP)が議席をすべて喪失した。このため、CDU/CSUはSPDと大連立政権を樹立する方針を決定。10月下旬から政権協議を進めてきた。

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今回成立した政権協定には、全国一律の最低賃金を導入することが盛り込まれた。金額は8.5ユーロ(時給)で、2015年初頭から義務化される。ただ、労使協定で最低賃金をすでに導入している業界については、最低賃金の額が8.5ユーロを下回っていても16年末までは現行協定で定めた額が引き続き適用される。

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雇用関係ではまた、派遣社員の派遣期間を最大18カ月に制限することも取り決められた。派遣後10カ月目からは同等の業務を行う正社員と同一の賃金が支払われなければならない規則の導入でも合意が成立している。

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政権協定にはこのほか、◇現在は高速道路と一部の一般国道に限られているトラック走行料金の課金区間をすべての国道に拡大する◇国外で登録した乗用車から高速道路料金を徴収するルールを14年に導入する◇1991年以前に子供を産んだ女性の公的年金受給額を上乗せし、92年以後に出産した女性との格差を是正する◇公的年金の保険料納付期間が45年以上の被保険者について支給額の減額なしに年金を受給できる年齢を63歳に引き下げる――ことも盛り込まれている。企業の間接労務費は増加が予想される。(協定内容の詳細は表参照)

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