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2015/5/20

企業情報

キオン―ユニキャリアの競売入札に参加か―

この記事の要約

フォークリフト世界2位の独キオン(ヴィースバーデン)が競合ユニキャリアを買収する考えのようだ。13日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、ユニキャリアの競売入札で4月末に最終オファーを出したという。関係各 […]

フォークリフト世界2位の独キオン(ヴィースバーデン)が競合ユニキャリアを買収する考えのようだ。13日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、ユニキャリアの競売入札で4月末に最終オファーを出したという。関係各社はコメントを控えている。

ユニキャリアは日立建機と日産自動車のフォークリフト事業を統合して設立された企業。出資比率は産業革新機構が53.3%、日立建が 26.7%、日産が20%。2014年3月期の売上高は1,752億円で、世界市場ランキングは8位。内部成長で上位に食い込むのは難しいため、出資3社は売却するもようだ。

キオンは年商47億ユーロ。会社設立翌年の07年から最大手の豊田自動織機を抜いて世界1位となることを目指しているものの、いまだに実現していない。ユニキャリアを取得できれば、トップに立てる見通し。

キオンは欧州、中国市場に強いものの、米国、日本市場には弱い。ユニキャリアを買収すると、日米事業を大幅に強化できる。

製品面でも両社は補完性が高い。キオンが高価格帯(独ブランド「リンデ」「シュティル」)と低価格帯(中国ブランド「バオリ」)に強いのに対し、ユニキャリアは中価格帯ブランドを展開しているためだ。

ユニキャリアの入札にはニチユ三菱フォークリフトも参加しているという。