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2015/6/24

企業情報

ドイツテレコム―米子会社をコムキャストが買収か―

この記事の要約

ドイツテレコムの米移動通信子会社TモバイルUSの買収に向けてケーブルテレビ(CATV)米最大手のコムキャストが交渉しているとの観測が浮上している。独経済誌『マネージャー・マガチン』が消息筋の情報として17日、報じた。Tモ […]

ドイツテレコムの米移動通信子会社TモバイルUSの買収に向けてケーブルテレビ(CATV)米最大手のコムキャストが交渉しているとの観測が浮上している。独経済誌『マネージャー・マガチン』が消息筋の情報として17日、報じた。TモバイルUSをめぐっては米衛星放送2位のディッシュも買収を打診しているとの観測があり、ドイツテレコムは同子会社の売却交渉を複数の企業と進めている可能性が出てきた。同社はメディアの問い合わせにコメントを控えている。

ドイツテレコムは2011年、TモバイルUSA(現TモバイルUS)を米AT&Tに売却することで合意したものの、寡占が進むことを警戒する米当局の認可が下りずとん挫。これを受けTモバイルUSAを米同業メトロPCSと合併させたうえで、新会社TモバイルUSを13年に設立した。価格攻勢と通信網の拡充、周波数帯の獲得を通して顧客数を急速に伸ばしている。TモバイルUSに対してはソフトバンクの米子会社スプリントと仏イリアッドが昨年、それぞれ買収を狙ったが実現しなかった。

ドイツテレコムは同子会社の業績が拡大していることから、早急に手放す必要がないものの、5月の株主総会では合弁化を通したコスト削減を視野に入れていることを明らかにした。

ディッシュは株式と現金の組み合わせでTモバイルUSを買収したい考えとされる。これに対しコムキャストは資金力が潤沢なため現金のみで買収する力があり、ドイツテレコムにとって魅力が大きいという。

コムキャストは競合タイム・ワーナー・ケーブル(TWC)を450億ドルで買収しようとしたが、独禁当局の難色を受けて4月に断念した経緯がある。

ロイター通信は消息筋の情報として18日、コムキャストはTモバイルUSの買収交渉を行っていないと報じた。