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2015/6/24

経済産業情報

独エバスペヒャーに欧州委が制裁金、パーキングヒーターのカルテルで

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、乗用車・商用車用ヒーターで自動車部品大手の独エバスペヒャーと同ベバストが違法なカルテルを結んでいた問題で、エバスペヒャーに制裁金6,817万5,000ユーロを科すと発表した。ベバスト […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、乗用車・商用車用ヒーターで自動車部品大手の独エバスペヒャーと同ベバストが違法なカルテルを結んでいた問題で、エバスペヒャーに制裁金6,817万5,000ユーロを科すと発表した。ベバストは欧州委に通報したため制裁を全額、免除された。

両社はエンジンを止めた状態で車内を暖めることができるパーキングヒーターと補助ヒーターの分野で2001年9月から11年9月にかけて、価格カルテルと顧客を分け合う販路カルテルを結んでいた。対象地域は欧州連合(EU)にアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの3カ国を加えた欧州経済領域(EEA)全体に及んでいた。

欧州委はベバストの通報を受けて13年7月に調査を開始し、カルテルの事実を裏付けた。マルグレーテ・ヴェスタエアー欧州委員(競争政策担当)は声明で、パーキングヒーターを欧州で手がけるメーカーが両社に限られるうえ、カルテルの期間が10年超と長いことを指摘。欧州自動車産業と消費者に大きな損害を与えたと批判した。

制裁金の額は両社が当該製品でそれぞれ獲得したEEAでの売上高と違法性の度合い、カルテルの対象地域・期間をもとに算出した。ベバストの制裁額は本来2億2,224万7,000ユーロだったが、通報したことで全額免除。エバスペヒャーもカルテル調査に協力したことで45%、和解手続きに応じたことで10%の減額措置をそれぞれ受けた。