ドイツ電力業界の動き

高所得層も光熱費急増を心配

ドイツの借家人の80%が光熱費の大幅上昇を心配していることが、エネルギーサービス事業者イスタ(Ista)の9月のアンケート調査で分かった。5月の68%から12ポイント増加した。同回答は手取り収入が月1,500ユーロ未満の

電力・ガス価格引き下げへ、政府が2000億ユーロの基金設置

ドイツ政府は9月29日、高騰している天然ガス・電力価格を引き下げるための措置を実施すると発表した。一般世帯と企業に極度の負担がかかり、家計・経営破たんが急増することを防ぐ狙い。これに伴い、ガス調達コストの膨張で資金繰りが

残存原発2基を年明け以降も稼働、経済相が見通し表明

ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候相(緑の党)は9月27日、予備電源に組み込む予定の残存原発2基を年明け以降も稼働させる見通しを明らかにした。隣国フランスで冬季に電力が不足し、ドイツからの供給量が従来予想を上回る可能

エネ大手ユニパーを国有化、ガス分担金の導入は取り止め

エネルギー危機の重要対策がこの1週間、相次いで打ち出された。1つ目は天然ガス大手ユニパーの国有化、2つ目はアラブ首長国連邦(UAE)からのLNG(液化天然ガス)輸入、3つ目は天然ガス輸入コストの高騰分を需要家が平等に負担

ランクセス

化学大手のランクセスは27日、西南ドイツのマンハイムにある工場内でのグリーン水素製造を検討していると発表した。2040年までに炭素中立を実現する目標実現に向けた取り組みの一環。再生可能エネルギー分野のプロジェクト会社JU

ユニパー―国有化の方向、ガス市場の悪化で―

ドイツ最大の天然ガス輸入会社ユニパーは14日の適時開示で、同社の経営安定に向けた協議を親会社であるフィンランドのフォータムおよびドイツ政府と進めていると発表した。ユニパーはロシア産天然ガスの供給削減で資金繰りが急速に悪化

クロップエナジーズ―エタノール工場の操業停止も―

独砂糖大手ジュドツッカーのバイオ燃料子会社クロップエナジーズは19日、バイオエタノール生産能力の引き下げを検討すると発表した。エネルギー・原料価格の高騰を背景に欧州生産で採算の確保が難しくなっているため。今後数週間の市場

シーメンス―P2Gプロジェクトで水素生産開始―

電機大手のシーメンスは14日、同社がゼネコンとして独南東部のヴンジーデルに設置したグリーン水素生産施設が操業を開始したと発表した。製造した水素は同市と周辺地域に供給する。 同社は2020年、再生可能エネルギーを用いて水素

危機の影響広範囲に、先物高騰で来年はエネコスト7倍増も

ロシアのウクライナ進攻をきっかけに始まったエネルギー危機の影響が広い範囲に及んでいることが鮮明になってきた。これまでは天然ガスの輸入会社や、物価高騰の直撃を受ける家計に関心が集まっていたが、ガスに連動した電力取引所価格の

上期発電が増加、石炭と再生エネがけん引

ドイツ連邦統計局が7日発表した2022年上半期の国内発電量(送電網への供給ベース)2,632億キロワット時(kWh)となり、前年同期を1.3%上回った。石炭発電が17.2%増、再生可能エネルギー発電が12.1%増と2ケタ

建築許可住宅のメイン暖房、天然ガスの割合が大幅減

ドイツで今年上半期に建築許可が下りた住宅6万200件のうちメイン暖房のエネルギー源にガスを使用する物件の割合は16.2%となり、前年同期の25.5%から大幅に低下したことが分かった。2019年上半期(39.9%)に比べる

省エネを促進・義務化、職場室温規制緩和や広告照明制限へ

ドイツ政府は24日の閣議で、国内のエネルギー消費量を引き下げるための政令案を了承した。ロシアからの天然ガス供給が大幅に減り国内の安定供給が危ぶまれることから、需要が大きく増える冬季にそうした事態が起こらないようにする狙い

鉄道輸送で石油と石炭を優先

ドイツ政府は24日の閣議で、鉄道輸送で石油と石炭を他の物資に優先させることを定めた政令案を了承した。水位の低下で河川輸送能力が大幅に低下し、発電所、製油所の運営に支障が出る懸念があることから、両物資の鉄道輸送を増やす意向

ユニパー―追加融資を政策金融機関に要請―

エネルギー大手の独ユニパーは29日、政策金融機関のドイツ復興金融公庫(KfW)に融資枠の拡大を申請したことを明らかにした。同日に20億ユーロの融資を受けたことで、融資枠を使い切ったためだ。ロシアが天然ガスの供給削減を強め

製造業のガス消費量、7月は21%減少

独製造業の天然ガス消費量が7月は前年同月を21.3%下回ったことが、連邦ネットワーク庁の25日付ガス日報で分かった。減少幅は今年最大となった6月の13.6%を大幅に上回っている。同庁のクラウス・ミュラー長官はdpa通信に

ガス分担金1kWh2.4セントに、総額340億ユーロ

ドイツ政府は15日、天然ガス調達コストの高騰で財務が悪化しているエネルギー輸入会社を支援するための分担金を1キロワット時(kWh)当たり2.419セントに設定することを明らかにした。同分担金は需要家である企業や一般世帯が

FSRUへのLNG供給で政府がエネルギー4社と合意

ドイツ政府は16日、今年末から来年初頭にかけて稼働開始予定の浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)向けにエネルギー4社からLNG(液化天然ガス)の供給を受けることで基本合意した。同国ではロシア産天然ガスの供給削減を受

EnBW―送電網事業を合弁化、国が出資の方向―

西南ドイツを拠点とするエネルギー大手EnBWは19日、送電網事業を手がける完全子会社トランスネットBWの合弁化に向け入札手続きを開始すると発表した。再生可能エネルギーをベースとするエネルギー経済の実現に必要な投資資金を確

ユニパー―上期純赤字124億ユーロに―

エネルギー大手の独ユニパーは17日発表の2022年6月中間期決算で124億1,800万ユーロの純赤字を計上した。ロシア産天然ガスの供給が大幅に削減され、割高なスポット市場などで代替調達を強いられていることが響いた格好で、

天然ガス発電量が7月は14%も増加

ドイツの天然ガス発電量が7月は4,036ギガワット時(GWh)となり、前年同月を13.5%も上回ったことが、連邦ネットワーク庁のデータで分かった。政府は天然ガスの国内安定供給を確保するため、ガス発電を可能な限り抑制する政

ガス調達コスト転嫁政令が施行、備蓄率73%弱に

天然ガスの供給不足懸念とエネルギー価格高騰への対策が政財界で進められている。政府は調達コストの膨張で財務が悪化しているガス輸入会社の経営破たんを回避するための政令案を作成。企業は天然ガスに代わるエネルギー源の確保や省エネ

エボニック―天然ガスの40%をLPGなどで置き換え―

特殊化学大手のエボニックは8日、ドイツ国内での供給不足が懸念されている天然ガスについて自社工場での使用を最大40%、他のエネルギー源に置き換えることができると発表した。生産に大きな支障は出ないとしている。クリスティアン・

ユニパーが石炭発電を抑制、河川の水位低下で燃料輸送に支障

エネルギー大手の独ユニパーがライン水系の石炭火力発電所で発電量を抑制し始めた。水位が低下し、石炭の輸送が難しくなっているためだ。フランスでも水温上昇を受け原子力発電が抑制されており、猛暑の影響は農作物の被害や火災、取水制

ガス料金1000ユーロ以上増加も、輸入会社の調達コスト転嫁で

ロシア産天然ガスの供給削減を受けて膨らんでいる輸入会社の調達コストが川下に転嫁されると、一般世帯の負担額は大幅に膨らむ可能性がある。ショルツ首相は先ごろ、負担増加額が最大で年300ユーロにとどまるとの見方を示したが、これ

「ガス発電の全面停止は不可能」=経済省

ドイツで天然ガス発電を100%停止することはできないもようだ。ロシア産ガスの供給が大幅に削減されたことを受け同国では国内供給を維持するため発電での使用を全面停止するよう求める声が出ているが、経済・気候省は1日付の文書で不

RWE―利益予測を大幅引き上げ―

エネルギー大手の独RWEは7月27日、2022年12月期の利益見通しを大幅に引き上げた。エネルギー取引事業が予想外に好調なほか、電力料金が値上がりしたことが大きい。同社は競合ユニパーと異なりロシアから天然ガスを調達してい

ルフトハンザ―シェルからSAF調達へ―

航空大手の独ルフトハンザは1日、石油大手の英シェルから持続可能な航空燃料(SAF)を調達することで基本合意したと発表した。フライトに伴う二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する狙い。販売する航空燃料の10%を2030年まで

ガス管NS1再稼働も供給量を20%に削減

ロシア産天然ガスをバルト海経由でドイツに輸送するガス管「ノルドストリーム1(NS1)」はメンテナンス作業を終了し、21日に再稼働した。ただ、供給量は容量の40%とメンテナンス前と同じ低い水準にとどめられている。25日には

政府がFSRUをシュターデとルプミンに投入

ドイツ政府は19日、浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)を同国北西部のシュターデと北東部のルプミンに投入することを決定した。政府は計4隻のFSRU傭船契約を5月に締結。すでに2隻は北西部のヴィルヘルムスハーフェンと

シーメンス・エナジー―洋上風力発電用の変電設備を受注―

エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは21日、洋上風力発電用の変電設備を蘭送電大手アンプリオン・オフショアから受注したと発表した。受注額は1億ユーロのケタ台の後半。洋上風力発電の送電網接続分野では同社史上最大の額だ

英独間送電プロジェクトで融資成約、関電は出資・日生は融資

英独間の送電線建設・運営プロジェクトを計画する企業連合ノイコネクト・ブリテンは21日、国際シンジケート団から融資を受ける契約に調印した。年内にも着工し、2028年から運転を開始する計画だ。英独間初の国際連系送電線プロジェ

天然ガス輸入価格、5月は3.4倍に

ドイツ連邦統計局は21日、国内供給が厳しい状況に陥っている天然ガスに関する各種データを公表した。それによると、5月の輸入価格指数(2015年=100)は332.2となり、前年同月を235.6%上回った。6月の産業向け価格

ユニパー―政策金融機関の全融資枠を利用へ―

ロシア産天然ガスの供給削減で資金繰りが急速に悪化している独エネルギー大手ユニパーは18日、政策金融機関KfWの全融資枠20億ユーロを利用することを申請したと発表した。親会社であるフィンランド国有同業のフォータムが提供した

石炭発電拡大へ、時限措置を議会が承認

予備電源として稼働停止した石炭発電を時限措置として再び利用するための法案が8日、独議会で成立した。ロシアからの供給が大幅に減り国内供給不足懸念が出ている天然ガスの発電向け投入を停止。その穴埋めとして石炭発電を増やす。最大

風力発電設置加速法案が議会で成立

州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)は8日、陸上風力発電施設の建設を迅速化するための法案を可決した。同法案はすでに連邦議会(下院)を通過しており、来年1月に施行される見通しだ。 ドイツでは生物種の保護規定や各州が独

ティッセンクルップ(鉄鋼)―bpが水素と再生エネを供給―

鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップは11日、鉄鋼生産の脱炭素化に向け英エネルギー大手bpと長期戦略協業の基本合意を締結したと発表した。ブルー水素とグリーン水素、再生可能エネルギー電力の供給を受け、二酸化炭素(CO2)の

5月のスタンド売上、2月比で実質12%減少

独立系ガソリンスタンドの5月の売上高が価格・営業日数・季節調整後の実質で2月を11.7%下回ったことが、ドイツ連邦統計局の発表で分かった。燃料価格の高騰を受けて消費者が購入を控えたことが反映されている。販売量は11.7%

上期消費電力の約半分は再生エネ

ドイツの上半期の電力消費量2,810億キロワット時(kWh)に占める再生可能エネルギーの割合は約49%(暫定値)に上ったことが、バーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー・水素研究センター(ZSW)と独エネルギー水道産業連

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