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2011/3/11

企業情報 - 自動車メーカー

ダイムラーとロールス・ロイス、独トグナムを共同買収へ

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーと航空用エンジンなどを生産する英ロールス・ロイスは9日、独大型エンジンメーカーのトグナムを共同で買収すると発表した。折半出資で合弁会社を設立してトグナムを傘下に置くほか、両社のノウハウも集約し、需 […]

独自動車大手のダイムラーと航空用エンジンなどを生産する英ロールス・ロイスは9日、独大型エンジンメーカーのトグナムを共同で買収すると発表した。折半出資で合弁会社を設立してトグナムを傘下に置くほか、両社のノウハウも集約し、需要拡大が見込める新興国市場などでの事業拡大を目指す。

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トグナムは船舶や防衛、産業向けの大型エンジンを生産している。従業員数は約9,000人で、2010年通期の売上高は約26億ユーロだった。ダイムラーはトグナムの株式の28.4%を保有しており、同持ち分を新会社に持ち込む。また、ロールス・ロイスは中速のガスおよびディーゼルエンジンを製造するベルゲンエンジン事業を持ち込んで新会社の競争力を強化する。

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産業用などのいわゆる「オフハイウェイ」エンジンは今後、新興国市場を中心に需要拡大が見込まれており、両社は同分野の世界市場は将来、年300億ユーロ以上に成長すると予想している。

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また、トグナムは昨年12月に定置型燃料電池事業から撤退すると発表していたが、新会社では同計画を撤回し、ロールス・ロイスの同事業と合わせて競争力を強化していく予定。

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両社はトグナムの株主に対し1株当たり24ユーロの買収価格を提案する。買収計画が明らかになる前の3月4日の終値に30%のプレミアムを上乗せするため、買収金額は総額で約32億ユーロとなる。ただ、両社の計画の発表後、トグナムの株価は24ユーロを超えていることから、両社が買収提案を上方修正するとの見方が強まっている。

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ダイムラーは以前、トグナム(当時:MTUフリードリヒスハーフェン)を子会社としていたが、リストラ資金を確保するため2005年末にスウェーデンの金融投資会社EQTに売却した。トグナムは2007年に株式を公開し、ダイムラーは2008年に同社の株式を取得し、再び資本参加していた。

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