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2011/6/24

クローズアップ

クリーン・エネルギー・パートナーシップ(CEP)

この記事の要約

ドイツ政府が支援する水素燃料の実用化を目指すプロジェクト。水素・燃料電池技術に関する国家技術革新プログラム(NIP)の一環に位置づけられ、現在は、政府機関のNOWが運営している。NOWは2008年の設立で、水素・燃料電池 […]

ドイツ政府が支援する水素燃料の実用化を目指すプロジェクト。水素・燃料電池技術に関する国家技術革新プログラム(NIP)の一環に位置づけられ、現在は、政府機関のNOWが運営している。NOWは2008年の設立で、水素・燃料電池・電気自動車の関連プロジェクトを統括する。連邦政府はNIPを通して、CEPの研究開発に2億ユーロ、交通分野や定置型燃料電池などの実証試験に5億ユーロの予算を確保している。これに加えて産業界も7億ユーロを投資するなど、CEPでは2016年までに総額で14億ユーロを投入する計画となっている。

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同プロジェクトはベルリンとハンブルクを中心に3段階に分けて実施されている。第1フェーズは2008年6月末に終了し、第2フェーズは2008年5月~2010年末まで実施された。現在進行中の第3フェーズは2011年~2016年末までを予定している。

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第1フェーズでは2004年11月に同プロジェクトで最初の水素供給スタンドをベルリンに開設したほか、約17台の水素自動車(内燃エンジン搭載車と燃料電池車)を投入して実用試験を実施した。

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第2フェーズでは、試験車両を乗用車で40台以上に増やしたほか、バスも投入。バスは内燃エンジンを搭載し水素を燃料として動くモデルと燃料電池を搭載したハイブリッド車で実証試験を実施した。

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第3フェーズでは、ベルリンとハンブルクを中心としてきたプロジェクトをドイツのその他の地域やスカンジナビア諸国と連携させていく計画。また、再生可能エネルギーを利用した水素の製造にも重点を置く。

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同プロジェクトには現在、15のパートナーが参加している。自動車メーカーではVW、BMW、ダイムラー、フォード、ゼネラルモーターズ/オペルが参加。日本メーカーではトヨタが2010年に、ホンダが2011年5月に加盟した。

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このほか、石油大手のシェル、トタル、スタットオイル、エネルギー大手のバッテンフォール・ヨーロッパ、工業ガス大手のリンデとエア・リキード、公共交通運営会社のBVG(ベルリン)とハンブルガーホッホバーン(ハンブルク)が参加している。

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