2014/3/31

欧州ビジネスウオッチ

オペル、中国市場から撤退

この記事の要約

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州子会社オペルは28日、中国市場から撤退すると発表した。同市場には昨年、進出したばかりだが、現地販売網の拡充に巨額の資金を要するため、方針を転換。今後は欧州市場に特化する。中国 […]

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州子会社オペルは28日、中国市場から撤退すると発表した。同市場には昨年、進出したばかりだが、現地販売網の拡充に巨額の資金を要するため、方針を転換。今後は欧州市場に特化する。中国にはすでに姉妹ブランドが進出しており、それらブランドの販売拡大がオペルの利益につながると判断した。

オペルは足元の欧州市場が長期的に低迷し、今後も大幅な回復が見込めないことから、欧州域外への進出に乗り出した。だが、販売は思うように伸びず、昨年8月には2012年に進出したオーストラリア市場からの撤退方針を表明した。

中国ではこれまでにディーラー22社を獲得したものの、販売を伸ばすには1億ユーロのケタ台の投資が必要となるため、撤退を決めた。現地販売台数は累計で4,300台にとどまっている。オペルのカールトーマス・ノイマン社長は昨年11月のメディアインタビューで、中国から撤退する考えを明らかにしていた。

親会社GMはグループ全体の世界戦略を見直しており、欧州市場については現地ブランドのオペル/ボクソールに絞り込むことを決定。姉妹ブランドシボレーは15年末で欧州から撤退する。オペル/ボクソールとシボレーは同市場でこれまで、相互に足を引っ張り合う格好となっていた。