2014/3/31

環境・通信・その他

ブロバン料金の域内格差は最大4倍、回線速度は設定の75%=欧州委

この記事の要約

欧州委員会が25日公表したインターネット市場に関するリポートによると、EU域内で提供されているブロードバンド接続サービスの料金設定には加盟国間で最大4倍の格差があり、回線速度も大部分で契約上の設定を大幅に下回ることが分か […]

欧州委員会が25日公表したインターネット市場に関するリポートによると、EU域内で提供されているブロードバンド接続サービスの料金設定には加盟国間で最大4倍の格差があり、回線速度も大部分で契約上の設定を大幅に下回ることが分かった。EUでは通信分野における単一市場の創設に向けた規制改革が議論されており、携帯電話の通話料などは以前に比べて域内格差が縮小している。しかし、インターネット市場では依然として国によって料金やサービスにばらつきがある実態が明らかになった。

欧州委が公表したのはEU28カ国におけるブロードバンド接続サービスの料金や回線速度などに関する4種類の調査リポート。料金に関しては、標準的な12~30Mbt/秒のプランでリトアニアの月額平均10.3ユーロ、ルーマニアの11.2ユーロからスペインの38.7ユーロ、キプロスの46.2ユーロまで最大で4倍以上の開きがある。また、国内での料金格差が最も大きいのはポーランドで、事業者によって月額料金が20ユーロから140ユーロに設定されている。

一方、EU域内で提供されているブロードバンド接続サービスの回線速度は契約上の速度プランの平均75%にとどまり、2年前からほとんど改善されていないことが分かった。タイプ別ではケーブルが89.5%、光ファイバーが82.7%、DSL回線が63.8%となっている。さらにネットユーザーのうち、自分が加入しているサービスの速度プランを知らない人が全体の66%占めることも明らかになった。

欧州委員会のクルー副委員(デジタル政策担当)は今回のリポートを受け、域内に住むおよそ4億人のネットユーザーが直面している地域格差を「宝くじのようなもの」と形容。「インターネットに単一市場は存在しない。ある国のユーザーが他の加盟国のユーザーの4倍の料金を支払わされている状況を容認できる理由はどこにもない」と指摘した。