欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/12/8

総合 – 欧州経済ニュース

スウェーデンが解散総選挙、政府予算案否決で

この記事の要約

スウェーデンのロベーン首相は3日、政府が提出した予算案が議会で否決されたことを受け、議会を解散して来年3月22日に総選挙を行うと発表した。同首相率いる中道左派政権は10月に発足したばかりだが、早くも躓く結果となった。スウ […]

スウェーデンのロベーン首相は3日、政府が提出した予算案が議会で否決されたことを受け、議会を解散して来年3月22日に総選挙を行うと発表した。同首相率いる中道左派政権は10月に発足したばかりだが、早くも躓く結果となった。スウェーデンで解散総選挙が行われるのは1958年以来、約半世紀ぶり。

9月に実施された前回総選挙では、野党の中道左派連合が与党の中道右派連合を上回る議席を獲得して8年ぶりに政権交代が実現し、ロベーン首相率いる新政権が誕生した。ただ、連立与党の社会民主労働党と緑の党新政権が議会で保有する議席数は過半数に届いておらず、少数与党での厳しい政権運営となっていた。こうしたなかで3日に行われた予算案の採決では、9月の総選挙で野党に転落した中道右派4党も独自の予算案を共同提出。政府予算案が賛成153票にとどまったのに対し、野党の予算案が182票を得て採択された。採決では、先の総選挙で躍進し49議席を持つ極右のスウェーデン民主党が、ロベーン政権の移民に寛容な政策に反発して野党案を支持したことが決め手となった。

ロベーン首相は、中道右派連合が「民主党にスウエーデン政治の命運を左右させている」と非難。「新たな政治情勢に直面する中、(解散・総選挙で)有権者に選択を委ねる」と述べた。政治アナリストの間では、来年の総選挙では中道左派、中道右派とも過半数を獲得できるかは不透明な情勢であり、選挙後も不安定な政治状況が続くという見方が有力だ。