欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/1/26

西欧

風力発電設備のスズロン、独子会社を売却

この記事の要約

風力発電設備大手のスズロン(インド)は22日、独子会社センヴィオン(旧リパワー・システムズ)の全株式を米投資会社センターブリッジに売却すると発表した。売却金額は10億ユーロ。センヴィオンの業績が好調に推移すれば5,000 […]

風力発電設備大手のスズロン(インド)は22日、独子会社センヴィオン(旧リパワー・システムズ)の全株式を米投資会社センターブリッジに売却すると発表した。売却金額は10億ユーロ。センヴィオンの業績が好調に推移すれば5,000万ユーロが上乗せされる。スズロンは財務が悪化しており、売却益で債務を圧縮する考えだ。取引の成立には独禁当局の承認が必要となる。

スズロンはリパワーを2008年に買収した。11年には他の株主から強制的に株式を買い上げるスクイズアウトを実施し完全子会社化したが、その後、財務が悪化。12年に予定していた社債2億900万ドルを償還できなかった。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が昨年6月に報道したところによると、スズロンは20億ドル以上の債務を抱えており、センヴィオンの利益を可能な限り吸い上げたい考えだったが、センヴィオンの債権銀行団により同社からの利益移転を阻まれた。このため、資金を得るためにセンヴィオンの放出を余儀なくされたもようだ。

センターブリッジは経営が悪化した企業の買収を専門に手がけるヘッジファンド。昨年は自動車修理チェーンの独アウト・タイレ・ウンガー(ATU)を買収した。