欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/4/13

総合 – 欧州経済ニュース

3月のユーロ圏消費者物価0.1%下落、マイナス幅は縮小

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットは3月31日、ユーロ圏の同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で0.1%低下したと発表した。物価の下落は4カ月連続。ただ、下げ幅は前月の0.3%から縮小した。 分野別では食品・アルコール・たば […]

EU統計局ユーロスタットは3月31日、ユーロ圏の同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比で0.1%低下したと発表した。物価の下落は4カ月連続。ただ、下げ幅は前月の0.3%から縮小した。

分野別では食品・アルコール・たばこが0.6%上昇。エネルギーは5.8%低下したが、下げ幅は前月の7.9%を下回った。工業製品は0.1%の低下、サービスは1%の上昇だった。

ユーロ圏では昨年12月にインフレ率がマイナスとなり、1月にはマイナス幅が0.6%まで上昇していた。景気回復が力強さを欠いていることと原油価格の下落が背景にある。マイナス幅の縮小は、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和実施によってユーロ安・ドル高が進み、輸入コストが膨らんだことが主因。原油安に歯止めがかかり、エネルギー価格の下落圧力が弱まったことも反映された。

今回の統計でユーロ圏が日本のようなデフレに陥る懸念は遠のいたとの見方が出ている。ただ、価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いた基礎インフレ率は0.6%と、前月の0.7%から0.1ポイント縮小しており、なお不安が残る状況となっている。