2011/11/30

ロシア

ガスプロム、ベラルーシ向けガス価格を引き下げ

この記事の要約

ガスプロムは25日、来年のベラルーシ向けガス価格を今四半期の1,000立方メートル当たり244米ドルから164.6ドルへ引き下げることで同国と合意した。プーチン首相が発表したもので、割引額は最低20億ドルに上る見通しだ。 […]

ガスプロムは25日、来年のベラルーシ向けガス価格を今四半期の1,000立方メートル当たり244米ドルから164.6ドルへ引き下げることで同国と合意した。プーチン首相が発表したもので、割引額は最低20億ドルに上る見通しだ。他の欧州への販売価格は来年を通して400ドル前後になるとみられている。

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今回の割引はロシア、ベラルーシ、カザフスタンの経済統合を反映するものだ。3国は関税同盟に続き、来年初めからサービス・労働・資本の移動を自由化する共同市場を創設する。

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25日の取り決めによると、天然ガスの主産地であるヤマロ・ネネツ自治管区での小売価格に貯蔵・輸送費、小売マージン、インフレなどを勘案してベラルーシ向け価格を決定することとなる。来年の小売マージンは15ドル95セントで、2013年までインフレに連動して引き上げられる。それ以降はベラルーシがマージン幅を決めるが、経済性を考慮して最低11ドル9セントに設定する。

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ロシアはまた、経済危機に直面するベラルーシに対し、今年のガス料金の支払いを来年まで猶予することも決めた。

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ベラルーシはその代わり、ガスプロムが国営ガス輸送会社ベルトランスガスを完全子会社化することを認めた。プーチン首相は、ベラルーシのガス輸送網を管理下に置くことで、政治的理由によって西欧への供給が滞るリスクが避けられるとその意義を強調している。

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ガスプロムは2007年にベルトランスガスの50%を25億ドルで買収しており、今回は残る50%を同額で取得する。

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■原発建設費を融資

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ロシア政府は同日さらに、ロシア原子力公社(ロスアトム)が受注したベラルーシ初の原子力発電所の建設費用として、最大100億ドルを期間15年にわたってベラルーシに貸し付けることで同国代表と合意した。

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同原発はリトアニア国境に近い北西部のオストロヴェツに設置され、2018年に稼動する予定だ。

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両国の軍事的・政治的統合を目指す「ベラルーシ・ロシア連邦国家」構想についても、ルカシェンコ大統領とメドベージェフ大統領は推進する意向を確認しあった。

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