2011/9/14

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコの4-6月期GDP、8.8%成長

この記事の要約

トルコ統計機構(TurkStat)は12日、2011年4-6月期の国内総生産(GDP)が前年同期比で8.8%拡大したと発表した。これは市場予想の6.8%を大幅に上回る水準だ。前期比では季節調整後で1.3%増加した。アナリ […]

トルコ統計機構(TurkStat)は12日、2011年4-6月期の国内総生産(GDP)が前年同期比で8.8%拡大したと発表した。これは市場予想の6.8%を大幅に上回る水準だ。前期比では季節調整後で1.3%増加した。アナリストらは、トルコ経済の拡大が個人消費に大きく依存し、経常赤字も急増していることから、景気過熱への懸念を強めている。

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現地メディアによると、4-6月期の成長率は欧州1位、世界でも中国の9.5%に次いで2位につけた。1-6月期の成長率は10.2%で中国(9.6%)を抑えて世界トップに立った。

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4-6月期の産業別成長率をみると、流通が13.2%、建設が13%、金融サービスが14.3%の高率を記録した。運輸(11.7%)、農業(6%)も好調だった。一方で最も伸びが鈍かったのは鉱業の1%。縮小した産業はなかった。

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国内民間家計消費は前年同期比9.2%増だった。総資本形成は28.9%増だったが、民間部門が33.5%拡大したのに対し、公的部門は6.6%の伸びにとどまった。

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トルコの経済成長は民間部門が主導する。景気が急拡大する中で8月初めに中央銀行が予想外の利下げを実施したことなどから、トルコの金融・財政政策手腕を疑う見方も浮上した。政府が市場の信認をどう維持していくのか、今後の動きに注目が集まる。

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なお、統計機構は12日、1-3月期の成長率を従来発表の11%から11.6%に、2010年通期についても8.9%から9%に修正した。

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■7月経常赤字、前年同月の1.5倍

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中央銀行の発表によると、7月の経常赤字は53億米ドルと前月の70億ドルから改善したが、前年同月比では50%増加した。7月までの累計は、前年同期比113%増の5,070万ドルに膨らんだ。

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経常赤字の主因は貿易赤字で、7月に79億5,000万ドルに上った。一方、赤字改善に貢献したのが国際観光収支で前月比27%増の28億ドルの黒字となった。国外直接投資は26億ドル、誤差脱漏は14億ドルだった。なお、1-7月の誤差脱漏は106億ドルと、過去最大の規模に達した。

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BCGパートナーズは「経常赤字拡大の勢いは落ちたものの、依然として増加している。8月はさらに増加幅が小さくなったとみられるが、今年11月から再び赤字が加速する可能性がある」とコメントしている。

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