中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/11/9

CIS諸国

アゼル産ガスのパイプライン、企業連合が建設へ

この記事の要約

アゼルバイジャン国営石油(SOCAR)は2日、同国で産出する天然ガスをトルコ経由で欧州に輸送するパイプラインを建設するプロジェクトで、トルコの国営パイプライン会社Botas Boru Hatlari lle Petrol […]

アゼルバイジャン国営石油(SOCAR)は2日、同国で産出する天然ガスをトルコ経由で欧州に輸送するパイプラインを建設するプロジェクトで、トルコの国営パイプライン会社Botas Boru Hatlari lle Petrol Tasimaと企業連合を結成すると発表した。企業連合にはやシャフ・デニス鉱区の開発企業も参加するという。

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建設予定のパイプラインはトルコの東部国境から西部国境まで伸びる。年間輸送能力は最大160億立方メートルになる見通し。アゼルバイジャンはすでに、シャフ・デニスII鉱区で産出する60億立方メートルをトルコに輸出することで合意しているため、残りの100億立方メートルが欧州向けとなる。輸送開始は2017年になる見通しだ。

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シャフ・デニス鉱区の天然ガス推定埋蔵量は1兆2,000億立方メートル。鉱区開発には、英BPとノルウェーのスタトイルがそれぞれ25.5%、SOCAR、露ルクオイル、仏トタル、イランのNICOが各10%、トルコのTPAOが9%の割合で参加している。

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アゼルバイジャン産の天然ガスをトルコ経由でさらに欧州に輸送するパイプラインとしては、これまでに「ナブッコ」、「アドリア海横断パイプライン(TAP)」、「IGIポセイドン」が候補に挙がっている。さらに、英BPもスタットオイル、SOCARと共同で「サウスイースト・ヨーロッパ・パイプライン」の建設を計画しており、今回の100億立方メートルの輸送枠をめぐり4つのパイプラインが競合することになる。

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