2012/1/4

総合・マクロ

オーストリアの銀行、貸し倒れリスク膨らむ

この記事の要約

オーストリアの銀行の貸し倒れリスクが高まっている。スイスフランや日本円の為替相場上昇で、外貨建て融資が焦げ付く可能性があるためだ。国内に加え、積極的に事業展開する中東欧での不安が大きい。\ オーストリアの銀行は2年前から […]

オーストリアの銀行の貸し倒れリスクが高まっている。スイスフランや日本円の為替相場上昇で、外貨建て融資が焦げ付く可能性があるためだ。国内に加え、積極的に事業展開する中東欧での不安が大きい。

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オーストリアの銀行は2年前から外貨建てでの貸し付けを大幅に制限しているが、それでも国内の融資残高に占める外貨建て融資の比率は2011年9月末時点で3分の1弱と大きな比率を占める。ユーロ圏における外貨建て個人融資の3分の1以上がオーストリアの金融機関によるもので、その比率の高さは顕著だ。

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同国の金融機関が行った中東欧における外貨建て融資も総額800億ユーロ相当に上り、すでにハンガリー政府が救済措置を講じるなど、問題が表面化している。

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欧州銀行監督機構(EBA)は域内の銀行に対し、2012年6月末までに中核的自己資本比率を9%に引き上げることを義務付けている。バンク・オーストリア、ライフアイゼン銀行、フォルクスバンク、Bawag、ヒポ・グループ・アルペ・アドリア(HGAA)のオーストリア主要4行の平均は9.8%と、西欧平均の11.8%、中東欧平均の11.4%を大きく下回り、資本強化への圧力が高い。オーストリア中央銀行(OeNB)では、資本増強は容易ではないものの、国内銀行が政府支援なしに自力で達成できると予測している。

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