2012/4/18

チェコ・スロバキア

投資会社ペンタ、独ドラッグストア大手に食指

この記事の要約

チェコ・スロバキアの投資会社であるペンタ・インベストメンツが、今年1月に支払い不能に陥ったドイツのドラッグストア大手シュレッカーの買収に乗り出している。6日発行の独週刊誌『シュピーゲル(オンライン版)』が報じた。すでに非 […]

チェコ・スロバキアの投資会社であるペンタ・インベストメンツが、今年1月に支払い不能に陥ったドイツのドラッグストア大手シュレッカーの買収に乗り出している。6日発行の独週刊誌『シュピーゲル(オンライン版)』が報じた。すでに非公式な形で買収提案を行ったとされるが、提示額など詳細は不明。これまでに報じられた売却先候補としては最も有望とみられている。

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同誌の取材によれば、ペンタは創業者アントン・シュレッカー氏の子供であるマイケ・シュレッカー、ラース・シュレッカー両氏の経営参加を望んでいない。継続出資を受け入れる場合でも少数株主としてのみという。

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買収額については、今月初めに1億ユーロとの憶測が流れたが、消息筋は高すぎるとみている。シュレッカーはほとんど不動産を所有しておらず、商品の大部分も完済までは所有権がサプライヤーにあるためだ。ブランド価値も低い。

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閉店をまぬがれたシュレッカー支店3,000店舗の改装費用は1店舗当たり3万ユーロと見積もられており、総額で9,000万ユーロが必要な計算となる。

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管財人のガイヴィッツ氏は具体的なコメントを避けているが、5月末の聖霊降臨祭までにはシュレッカーの将来が決まるとの見通しを示した。同氏は先ごろ国内5,500店舗のうち半数近くの閉店、2万4,500人の従業員のうち1万1,000人の解雇に踏み切ったばかりだ。

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一方、ペンタは10カ国で事業を展開し、資本総額は34億ユーロに上る。このうち3分の1を不動産が占める。しかし、西欧圏での買収は思うように進んでいない。昨年はオーストリアの機械製造会社Aテックの買収に失敗した。ドイツではフランクフルトに事務所を持つが、これまでペットフードメーカーのギムボーンへの資本参加にとどまっている。

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シュレッカーの買収は大部分を自己資金でまかなえる見通しだ。先ごろ、ポーランドのスーパーマーケットチェーン「ザブカ(Zabka)」を英テスコに4億4,000万ユーロで売却し、潤沢な流動資金を有している。ザブカを2007年に買収したときの取引額は1億3,000万ユーロだった。

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