2012/4/18

チェコ・スロバキア

チェコ国営電力CEZ、原発安全対策を強化

この記事の要約

チェコ国営電力CEZがテメリンおよびドコバニの原子力発電所の安全性を強化するため、現行の整備予算25億コルナに20億コルナを2015年までに追加する方針だ。同社の広報が4日、現地日刊紙『Lidove Noviny』に明ら […]

チェコ国営電力CEZがテメリンおよびドコバニの原子力発電所の安全性を強化するため、現行の整備予算25億コルナに20億コルナを2015年までに追加する方針だ。同社の広報が4日、現地日刊紙『Lidove Noviny』に明らかにした。

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安全性強化対策は、特に自然災害を視野に入れたもので、非常用電源としてディーゼル発動機を設置するとともに、万一の事故の際に発生した水素ガスを液化する装置の能力も向上させるという。対策強化の重点は1985年にCEZ初の原発として操業開始したドコバニ原発に置かれ、20億コルナのうち15億コルナを投資する。

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昨年EU全域で行われた原発安全性検査(ストレステスト)では自然災害への耐性が検査され、チェコ国内の原発に緊急に対策を講じなければならないような安全面の欠陥はないと判断された。ただ、マグニチュード7以上の地震や甚大な洪水に対する安全対策が不備であることを原子力保安庁(SUBJ)は指摘している。

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チェコ原子力協会のハヌス会長は、両原発が2002年夏の大洪水で全く影響を受けなかったことから、「追加措置は余分であり、政治的に強いられた過剰な標準」とやや批判的な見方だ。チェコでは原子力エネルギー推進政策のもと、テメリン原発の原子炉2基新設計画が進められている。(1CZK=4.29JPY)

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