2015/9/23

ロシア

電子マネー決済大手キウイ、ロシア独自の仮想通貨を開発

この記事の要約

ロシア電子決済大手のキウイ(Qiwi)が、同国初の仮想通貨「ビットルーブル」の開発を進めている。中央銀行など金融監督当局の承認を経て、来年からの流通開始を見込む。ただ、仮想通貨の規制に関して省庁間の足並みはそろっておらず […]

ロシア電子決済大手のキウイ(Qiwi)が、同国初の仮想通貨「ビットルーブル」の開発を進めている。中央銀行など金融監督当局の承認を経て、来年からの流通開始を見込む。ただ、仮想通貨の規制に関して省庁間の足並みはそろっておらず、実現するかどうかは不透明だ。現地紙『モスクワタイムズ』が17日伝えた。

財務省は仮想通貨に対し、脱税や資金洗浄など犯罪の温床や、テロ組織の資金調達の手段となる危険を指摘しており、厳しく規制したい方向だ。しかし、同省が昨年秋に策定した関連法案は、「ボーナスポイントやギフトカードなど金券類の流通にも影響を及ぼしかねない」とする経済発展省の反対を受けて修正を余儀なくされた。罰則を緩和した修正法案はまだ議会を通過しておらず、今後の見通しは立っていない。

一方でナビウリナ中銀総裁は、リスクを踏まえた上で「仮想通貨を実現する仕組みを考案すべき」と前向きだ。国内最大手銀ズベルバンクのグレフ総裁も、自らもビットコインを保有しているとし、「禁止ではなく利用に向かうべき」との考えを示した。

米決済サービス大手ペイパルのロシア子会社は、同国における仮想通貨の将来性は大きいと予想する。一方で、電子決済大手ヤンデックス・マネーの代表者は、普及には「(仮想通貨の)明確な合法化」が前提だと指摘している。

2009年の「ビットコイン」登場以来、各国の金融監督当局は仮想通貨の動向を注意深く見守っている。国家の統制が効かず、犯罪に悪用される可能性があるからだ。

一方で、世界の金融機関はコスト削減・決済作業効率化に向けて、仮想通貨技術(ブロックチェーン)の試験的運用を進めている。