2015/9/23

総合・マクロ

チェコ、アゼルバイジャンとの通商拡大を狙う

この記事の要約

チェコがアゼルバイジャンとの通商拡大を狙っている。貿易赤字の縮小に向けて、自国企業のアゼルバイジャン進出を促進したい意向だ。両国企業の提携を強化するため、ゼマン大統領は14~17日にアゼルバイジャンを訪問。一定の成果を挙 […]

チェコがアゼルバイジャンとの通商拡大を狙っている。貿易赤字の縮小に向けて、自国企業のアゼルバイジャン進出を促進したい意向だ。両国企業の提携を強化するため、ゼマン大統領は14~17日にアゼルバイジャンを訪問。一定の成果を挙げたものの、アゼルバイジャン企業が対チェコ投資に乗り出すかどうかは原油価格の動向に左右されそうだ。

資源国アゼルバイジャンは、チェコの石油需要の約3分の1を供給する。これを反映し、チェコの2014年の対アゼルバイジャン輸入額は390億コルナ(11億8,000万ユーロ)と、輸出額(24億コルナ)の16倍にも上っている。

ゼマン大統領は帰国後、あるチェコ企業が163億コルナの大型受注を目前にしていることを明らかにしたが、契約前であることを考慮し、業界や企業名などは伏せた。

一方、老舗航空機メーカーのエアロ・ヴォドホディ(Aero

Vodochody)はゼマン大統領の訪アに合わせ、次世代L36型ジェット練習機の契約獲得に向けた営業活動を展開したもようだ。アゼルバイジャンではすでに旧L36型機が24機導入されており、エアロ・ヴォドホディが保守・修理を担当している。この強みを生かして、新規契約を獲得したいところだ。

また、建設会社のPSJは首都バクーから約25キロメートルのカスピ海上に人工島を建設する「カザール・アイランド計画」で4億ユーロ規模の受注を獲得済み。同計画の工期は11年の予定で、完成すると60万人の生活の場が生まれるという。

チェコ企業の参入が有力視される分野としては建設、運輸、エネルギーが挙げられた。ゼマン大統領は一例として、アゼルバイジャンの鉄道整備事業に出資し、チェコ製のエンジンや鉄道車両を納入する可能性を指摘した。

今回の訪問では両国間で農業分野の提携に向けた覚書が交わされた。農業における経済・科学・技術提携が主眼だ。(1CZK=5JPY)