2015/9/23

総合・マクロ

ガスプロム、欧州委に示談を提案

この記事の要約

欧州競争法違反が疑われているガスプロムが21日までに、欧州連合(EU)の欧州委員会に対して示談を申し入れた。長期にわたる法的手続きを避け、早期決着を図りたい意向だ。 アレクサンドル・メドベージェフ社長によると、ガスプロム […]

欧州競争法違反が疑われているガスプロムが21日までに、欧州連合(EU)の欧州委員会に対して示談を申し入れた。長期にわたる法的手続きを避け、早期決着を図りたい意向だ。

アレクサンドル・メドベージェフ社長によると、ガスプロム側の提案をベースにヴェスタエアー欧州委員(競争政策担当)と近く協議に入る。提案内容は明らかにされていないが、決着までには一定の時間がかかるとみて、欧州委の「異議告知書」に対する反論書は今月28日の期限までに送付する方針だ。

欧州委はガスプロムが中東欧市場における公正な競争を阻害している可能性があるとして2012年に正式調査を開始。その結果、競争法違反の疑いが強まったとして今年4月、制裁手続きの第1段階となる異議告知書を送付した。手続きで最終的に違反が認定されれば、最大で年間売上高の10%(約100億ユーロ)の制裁金支払いを命じることになる。

ガスプロムは異議告知書の受け取り後、即座に違反の事実を否定した。一方、裁判を回避すするため、すでに5月の時点で価格を含む取引条件で譲歩する姿勢を示していた。

欧州委はガスプロムがポーランド、ハンガリーなど東欧8カ国において市場支配的な地位を乱用し、◇価格を最大40%つり上げ◇ガスプロムから調達したガスの再輸出禁止◇政府に対する他のプロジェクトでの協力強要――などを通じて公正競争を阻害したと疑っている。(東欧経済ニュース4月29日号「欧州委がガスプロムに異議告知書、中東欧市場の競争阻害で」を参照)