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2010/3/3

企業情報

Evonik Industries AG―再可エネ用の巨大蓄電池開発へ―

この記事の要約

化学大手のEvonik(エッセン)は1日、風力、太陽光などの再生可能エネルギーで発電された電力を蓄える世界最大のリチウム・セラミック二次電池を開発すると発表した。発電量が風力や天候に左右される再可エネ電力の弱点を巨大バッ […]

化学大手のEvonik(エッセン)は1日、風力、太陽光などの再生可能エネルギーで発電された電力を蓄える世界最大のリチウム・セラミック二次電池を開発すると発表した。発電量が風力や天候に左右される再可エネ電力の弱点を巨大バッテリーにより克服。将来性の高い市場を開拓していく。

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再可エネ電力用の二次電池開発に向けてはまず、ザールラント州フェルクリンゲンにある発電所内に出力1メガワット、蓄電能力700キロワット時(kWh)の設備を設置する。同二次電池が15分おきに蓄電と放電を行えるようになれば、理論的に4,000世帯の年間消費電力を賄えるという。これに成功した後は出力を10メガワットに引き上げる計画だ。

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再可エネ電力は発電量が自然によって大きく左右されるため、供給量が安定しないという問題を抱えている。このため現在は石炭発電や原子力発電を併用することで供給不足を回避しており、資源の無駄遣いにつながっている。再可エネ電力を蓄えられるようになれば、この無駄を省けるため、専用の二次電池の市場は大きく拡大する見通しだ。Evonikは同電池の市場規模が長期的に100億ユーロを超えると試算している。

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