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2010/3/3

企業情報

Allianz SE―黒字転換、増配へ―

この記事の要約

欧州保険最大手の独Allianz(ミュンヘン)が2月25日発表した2009年12月通期決算の最終損益は42億9,700万ユーロの黒字となり、前期の赤字(24億4,400万ユーロ)から大幅に改善した。業績不振の子会社Dre […]

欧州保険最大手の独Allianz(ミュンヘン)が2月25日発表した2009年12月通期決算の最終損益は42億9,700万ユーロの黒字となり、前期の赤字(24億4,400万ユーロ)から大幅に改善した。業績不振の子会社Dresdner BankをCommerzbankに売却したことが大きい。経営陣は当期配当を前期の1株当たり3.5ユーロから同4.1ユーロに引き上げる意向だ。

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売上高は5.2%増の974億ユーロ、本業のもうけを示す営業利益は2.0%減の71億8,200万ユーロだった。部門別の営業利益をみると、主力の損害保険は28.0%減の40億6,400万ユーロと大幅に落ち込んだ。独仏事業と信用保険事業が振るわず、損保の収益力を示すコンバインドレシオ(味損害率と正味事業比率の合計値。100を超えると支出が収入を上回る保険引受損失が発生していることを意味する)は前期から2ポイント増の97.4に悪化した。

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一方、生保・健保部門の営業利益は132%増の28億800万ユーロに急拡大した。運用実績が良好だったためで、同社のディークマン社長は「Allianzは現在の低金利下でも約束金利を長期的に保証できる」と胸を張った。資産運用部門も営業利益が51.3%増の14億100万ユーロと大きく拡大している。

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2010年は損保部門の営業利益で40億~50億ユーロ、生保・健保部門で同22億~28億ユーロ、資産管理で11億~13億ユーロを見込む。

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Dresdner Bank売却と引き換えに取得したCommerzbankの株式については長期的に保持する意向だ。Commerzbankは2010年12月期決算で3期連続の赤字を計上する恐れもあるが、Allianzのディークマン社長は「Commerzbankは経営戦略的に優れた体制を持っており、企業価値が大幅に回復する可能性がある」との見方を示した。

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