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2010/3/3

企業情報

Brenntag AG―上期中にIPOへ―

この記事の要約

化学品の卸売と輸送を手がける独Brenntag(ミュールハイム・アン・デア・ルール)は2月25日、株式公開(IPO)計画を発表した。新株を約5億ユーロ発行。市場調達資金を他社買収や債務の圧縮に充て、競争力を強化する意向だ […]

化学品の卸売と輸送を手がける独Brenntag(ミュールハイム・アン・デア・ルール)は2月25日、株式公開(IPO)計画を発表した。新株を約5億ユーロ発行。市場調達資金を他社買収や債務の圧縮に充て、競争力を強化する意向だ。公募に際しては現出資者も保有株の一部を売り出す予定。IPOが実現すると、ドイツでは3年ぶりの大型上場となる。

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同社は2006年7月、英投資会社のBC Partnersに買収された。その後は積極的に競合の買収を進めており、07年以降に取得した企業は21社に上る。現在は市場シェア6.9%を持つ世界最大手企業だ。

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市場には小規模企業がひしめいており、同社は今後も買収を展開。特にアジアでは標的企業1社当たり最大で1億ユーロ規模のM&Aを検討している。

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Brenntagが抱える債務は09年末時点で18億ユーロに上った。経営陣は債務を圧縮することで利払い費を減らし、財務の柔軟性を高める意向だ。

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同社の株式は現在、BC Partnersが83%持つほか、前親会社のBain Capitalも10%を保有する。両社がBrenntag株をどの程度放出するかは不明だが、BC Partnersの独法人社長はメディアに対し「売り出す株式よりも手元に残す株式の方が多い」と語った。

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Brenntagによると、大手化学メーカーは中小顧客への販売業務を外部企業に委ねる傾向を強めており、メーカーから仕入れた製品を顧客の要望に応じて販売・輸送する同社は事業を拡大する余地が大きいという。

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