欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2010/5/26

経済産業情報

小売価格、ドル高ユーロ安で上昇の見通し

この記事の要約

ギリシャ危機に端を発するユーロ安の進行で、ユーロ圏の小売価格が上昇する公算が高まっている。米ドルの対ユーロ相場はこの6カ月で約20%上昇しており、独卸売・貿易業者連盟(BGA)は19日付『ハンデルスブラット』紙に対し、ド […]

ギリシャ危機に端を発するユーロ安の進行で、ユーロ圏の小売価格が上昇する公算が高まっている。米ドルの対ユーロ相場はこの6カ月で約20%上昇しており、独卸売・貿易業者連盟(BGA)は19日付『ハンデルスブラット』紙に対し、ドル決済圏から製品を輸入する企業は値上げを検討する時期に来ているとの見解を示した。

\

ドイツはテレビやDVDプレーヤー、衣料品、日曜大工用品、娯楽家電の9割以上をアジアを中心とするドル決済圏から輸入しており、数週間後にはこれらの製品の小売価格が大幅に上昇する恐れがある。ただ、価格を引き上げると販売が落ち込むため、中身や付属品を減らして価格は据え置く「隠れ値上げ」が増えそうだ。市場調査大手GfKによると、娯楽家電の平均価格はすでに1-3月期の時点で前年同期を1.8%上回っている。

\

大幅値上げの回避に向け対策を取る企業もある。家電チェーンのメディア・マルクトやディスカウントスーパーのレアルを経営するメトログループは、為替予約を活用しリスク回避に努めている。アパレル業界団体のジャーマン・ファッションによると、業界企業の多くは輸入元を中国などのドル決済圏から他の地域に移すことを検討。トルコやルーマニア、モルドバなどが有力候補に上がっている。パソコンはアジアからの輸入が大部分を占めるため、値上げの回避は難しいようだ。

\