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2010/5/26

経済産業情報

精子の異常を分子レベルで判定 男性不妊症治療への応用に期待

この記事の要約

ボーフム大学のマルティーナ・ハーフェニート教授を中心とする研究チームは、ヒトの精子の3次元分子構造を短時間で測定・可視化する技術を開発した。共焦点ラマン顕微鏡を用いて分析するもので、生体組織を非破壊、非染色で観察できると […]

ボーフム大学のマルティーナ・ハーフェニート教授を中心とする研究チームは、ヒトの精子の3次元分子構造を短時間で測定・可視化する技術を開発した。共焦点ラマン顕微鏡を用いて分析するもので、生体組織を非破壊、非染色で観察できるという。研究チームは今回の成果が男性不妊治療の発展に貢献することに期待を寄せる。

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精子の正常・異常を調べる検査では、その形態(奇形の有無)が判断材料に使われるのが普通だ。しかしボーフム大のチームは、形態的には異常が全く見つからない場合でも、ミトコンドリアの細胞内に分子レベルの損傷が起こりうることを突き止めた。ミトコンドリアは酸素呼吸によってエネルギーを生産する細胞内器官で、その損傷は精子の受精能力で大きな役割を果たす運動性に影響を与えている可能性がある。

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このためチームは、ミトコンドリアの分子構造に重点を置いて試行錯誤を繰り返し、このほど可視化に成功した。実際に測定を行ったところ、DNAの詰まっている頭部やミトコンドリアが集合する中片部の化学構造がはっきりと観察できたという。

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今回の研究は連邦教育研究省の支援を受けて進められている。成果は『Analyst』誌の最新号に掲載された。

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