欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/8/31

経済産業情報

独自の基準で自然派製品、価格に敏感な健康志向派にターゲット

この記事の要約

人工香料・着色料を使わない食料品などを市場投入するメーカーが増えている。オーガニック認証製品を購入するほどの金銭的なゆとりはないものの、体により安全な製品を求める消費者が増えていることが背景にある。「より健康に良い」製品 […]

人工香料・着色料を使わない食料品などを市場投入するメーカーが増えている。オーガニック認証製品を購入するほどの金銭的なゆとりはないものの、体により安全な製品を求める消費者が増えていることが背景にある。「より健康に良い」製品には明確な規格がないため、メーカーは独自の基準を制定して運用している。これに対し消費者保護関係者は「表示の氾濫は消費者の混乱を招くだけ」と批判的だ。24日付『ハンデルスブラット』が報じた。

\

添加物は製品の見た目・風味・保存など様々な目的で使用されるが、特に安価な製品では価格を抑えるために本来の原料とは無関係の合成香料や着色料を添加するケースも少なくない。有機原料を使った安全な食品(あるいは化粧品)への関心が高まるなか、量産品でもオーガニックになるべく近い製品を求める消費者が増えている。

\

添加物不使用をうたった製品を最初に投入した大手メーカーは冷凍食品のFrostaだ。冷凍食品のパッケージに風味調味料・着色料不使用をはっきりと印刷しているほか、使われている原料についても説明を施している。同社の担当によると、従来品より価格が高くなったことで当初は販売が大きく落ち込んだものの、テレビコマーシャルで大々的に品質向上をアピールすることで売り上げを回復させた。

\

仏食品大手ダノンは独市場で牛乳(ヨーグルト)、砂糖、果物のみを原料としたヨーグルトを発売。希望小売価格は400グラム入りで1.99ユーロと、オーガニック製品に匹敵する。

\

ボディケア用品大手ニベアも「飽和した市場の中で唯一成長が期待できる分野」として自然化粧品に力を入れる。同社が今年春に導入した「Pure&Natural」シリーズでは、原料の95%に天然由来の成分を使用している。

\