欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/11/23

総合 - ドイツ経済ニュース

独取引所とNYSEが合併に向け譲歩

この記事の要約

ドイツ取引所とNYSEユーロネクストは18日、欧州連合(EU)の欧州委員会に一部デリバティブ(金融派生商品)事業の売却を柱とする合併計画の修正案を提示したことを明らかにした。両取引所の合併を認めた場合、統合新会社がデリバ […]

ドイツ取引所とNYSEユーロネクストは18日、欧州連合(EU)の欧州委員会に一部デリバティブ(金融派生商品)事業の売却を柱とする合併計画の修正案を提示したことを明らかにした。両取引所の合併を認めた場合、統合新会社がデリバティブ取引で市場独占を形成するおそれがあるとして、欧州委が本格調査を進めていることを受けた措置。欧州委は市場参加者などの意見を踏まえて改善策について検討を進め、来年1月23日までに合併の可否を最終判断する。

\

ドイツ取引所は先物取引などを扱うユーレックスを、NYSEユーロネクストはロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)を傘下に持っており、合併後の新会社は欧州のデリバティブ取引市場で90%以上のシェアを握る。欧州委はこの点を最も問題視しており、市場では合併認可の条件として、デリバティブ取引関連で一部事業の売却を求められるとの見方が広がっていた。

\

欧州委に提示した計画案によると、両社は「デリバティブ市場における事業の重複」を解消するため、NYSEユーロネクストが「(LIFFEの)『Bclear』を含む汎欧州エクイティ・デリバティブ事業」を売却する。ただし、オプション取引に関しては、ドイツ取引所がNYSEユーロネクストと重複する市場の事業を売却する。一方、合併に伴い金利スワップやエクイティ・デリバティブの清算機関を統合する構想に関しては、新生「ユーレックス・クリアリング」への「第3者による前例のないアクセス」を保証し、「公正、合理的、非差別的」なサービス提供を確約している。

\