洋上風力発電の需要がドイツで拡大するなか、送電インフラの整備で新たな問題が浮上している。独北部を中心に高圧送電網を運営するTennetは政府に宛てた14日付の書簡のなかで、オフショア発電パークと陸地を結ぶ海底ケーブル敷設で著しい困難に陥っていることを明らかにした。必要な資金や人材、資材を確保できないため、このままではケーブル敷設の遅延は確実と主張。政府に適切な対応を求めた。
\Tennetはシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州からニーダーザクセン、ヘッセン、バイエルンの各州にまたがるエリアで事業を展開しており、北海の洋上風力発電所と陸地を結ぶ海底ケーブルの整備・運営も義務づけられている。
\政府は2020年までに国内電力需要の35%を再可エネ電力で賄う目標を掲げており、オフショア風力パーク建設プロジェクトも増加している。しかし、主な建設地である北海でプロジェクトが増えたことでTennetの負担が急増。自力では資金、人手、物資を賄うことが困難になっている。問題は同社の取引先にも波及しており、発注した部品や機器の納期遅れが頻発しているという。
\Tennetはすでに敷設にとりかかっている8件のプロジェクトは計画通りに進めると確約しているものの、これから敷設する分については1~2年の遅延が避けられないとしている。
\レースラー連邦経済相は「我々もこの問題を認識している」として、対応に前向きの姿勢を示した。一方、緑の党のエネルギー専門家は「Tennetだけで負担しきれないのであれば、入札によって実施業者を決めるべきだ」と主張。各地の高圧送電網事業を特定の事業者に独占させる現行制度の改正を要求している。
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