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2014/2/19

企業情報

Thyssenkrupp AG―業績改善、10-12月期営業益6.5倍に―

この記事の要約

鉄鋼系複合企業の独Thyssenkrupp(エッセン)が14日発表した2013年10-12月期(第4四半期)決算の営業利益(EBIT、調整済み)は2億4,700万ユーロとなり、前年同期(3,800万ユーロ)の6.5倍の水 […]

鉄鋼系複合企業の独Thyssenkrupp(エッセン)が14日発表した2013年10-12月期(第4四半期)決算の営業利益(EBIT、調整済み)は2億4,700万ユーロとなり、前年同期(3,800万ユーロ)の6.5倍の水準に急増した。コスト削減や為替効果のほか、米鉄鋼事業の赤字が大幅に縮小したことがプラス要因。売上高は13%減の91億900万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の0.4%から2.7%に上昇した。

最終損益は6,900万ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期の1,600万ユーロから膨らんだ。欧州ステンレス鋼事業の売却の際に取得したOutokumpu株29.9%をOutokumpuに売り戻す取引に伴い評価損を計上したことが響いた。

Thyssenkruppは経営不振の米鉄鋼事業で巨額損失を抱え込んだことから同事業をArcerolMittalと新日鉄住金に15億5,000万ドルで売却することを昨年11月に取り決めた。今年半ばの売却手続き完了を見込む。今回の決算報告によると、同事業のEBIT(調整済み)はマイナス1,700万ユーロで、赤字幅は前年同期の1億2,200万ユーロから大きく縮小した。稼働率が改善していることが背景にあるという。

ハインリッヒ・ヒージンガー社長は決算発表で、14年9月通期のEBIT(同)が前期の5億9,900万ユーロから約10億ユーロに拡大するとした従来予測を据え置いた。最終損益についても4期ぶりの赤字脱却を見込む。