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2014/8/6

経済産業情報

TモバイルUS買収に仏イリアッドが買収提案

この記事の要約

仏電気通信サービス大手のイリアッドは7月31日、ドイツテレコムの米移動通信サービス子会社TモバイルUSに対し買収提案を行ったと発表した。TモバイルUSをめぐってはソフトバンクも買収交渉を進めており、日仏2社が激突する格好 […]

仏電気通信サービス大手のイリアッドは7月31日、ドイツテレコムの米移動通信サービス子会社TモバイルUSに対し買収提案を行ったと発表した。TモバイルUSをめぐってはソフトバンクも買収交渉を進めており、日仏2社が激突する格好となった。

イリアッドはTモバイルUS株56.6%を現金150億ドルで買収する考え。1株当たりの額は33.0ドル。残りの株式については1株40.5ユーロと評価しており、TモバイルUS株全体の平均価値は36.2ドルとなる。これはソフトバンクの米移動通信子会社スプリントがTモバイルUSの買収を狙っているとした観測が浮上した2013年12月12日の終値を42%上回る水準という。

イリアッドは1991年の設立。当初はインターネットサービス事業を展開していたが、2年半前に移動通信分野に進出した。低料金を武器に顧客数を急速に増やしている。仏移動通信市場4位に付ける。

他の事業者から通信回線と設備を借り受ける仮想移動体通信事業者(MVNO)として事業を展開している。最近は仏市場3位で独自の通信網を持つブイグテレコムの買収を試み、失敗した経緯がある。

米国市場に進出していないため、TモバイルUSの買収計画に独禁法上の懸念がない。この点はソフトバンクとの買収合戦で強みとなりそうだ。