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2014/8/6

経済産業情報

開封すると冷える缶を独社が開発、15年夏本格投入へ

この記事の要約

タブを開けるだけで飲料が急速に冷える自己冷却缶をデュッセルドルフのドゥーテック社(do-tech GmbH=登記上の本社はロンドン=)が開発した。塩類が水に溶解するときの吸熱反応を利用するもので、開封後1分で飲料の温度を […]

タブを開けるだけで飲料が急速に冷える自己冷却缶をデュッセルドルフのドゥーテック社(do-tech GmbH=登記上の本社はロンドン=)が開発した。塩類が水に溶解するときの吸熱反応を利用するもので、開封後1分で飲料の温度を10度下げられる(特許取得済み)。

Do-techが開発した自己冷却缶には、それぞれ塩類と水の入った小さなスペースが2つついている。缶についたタブを押すと塩類と水を隔てている仕切りに穴が開き、両者が混ざる。この時に吸熱反応が起き、飲料から熱を奪って冷える仕組みだ。製造コストは通常の缶に比べ1缶当たり20セントほど高いという。

同社が実施した市場調査によると、自己冷却式の缶飲料を「買ってもよい」と考える消費者は全体の65%に達した。年齢が低いほど受容度は高く、同社がターゲットグループとする18~25歳の層では85%、18歳以下の層では91%が「ぜひ購入したい」と回答した。一般の缶飲料に比べどの程度高くても購入しますかとの質問では平均回答が28セントとなっており、do-techは商業的に成功できると判断した。

現在は量産開始に向けて準備を進めており、年内に少量生産を開始する。本格的な市場投入は15年夏シーズンの予定だ。