総合メディア大手の独ベルテルスマン(ギュータースロー)は6日、経営不振の雑誌子会社グルーナー・ウント・ヤール(G+J)を完全傘下に収めると発表した。経営のスピードアップを図りデジタル化が進展する市場の動きに対応させる狙いで、創業家のヤール一族から株式25.1%を取得。11月1日付で100%子会社化する。取引金額は公表しないことで合意した。
G+Jは1965年の設立で、総合週刊誌『シュテルン』、経済誌『キャピタル』などを出版。有力週刊誌『シュピーゲル』の重要決議阻止権も持つ。デジタルメディアに押されて紙媒体のメディアの販売が低迷し、経営が苦しくなっており、人員削減や事業のデジタル化に取り組んでいる。
ベルテルスマンは69年、同社に資本参加。73年に買収し、76年には出資比率を74.9%まで引き上げた。G+Jの完全子会社化によりコンテンツ事業を強化する意向だ。ベルテルスマンは雑誌を放送(RTLグループ)、書籍出版(ペンギン・ランダムハウス)、音楽(BMG)と並ぶ中核事業と位置付けている。