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2014/10/8

経済産業情報

「蓄電設備は不可欠」=再可エネ研究促進企業

この記事の要約

政府系の省エネ・再生可能エネ研究・促進企業であるDenaは7日、揚水発電などの蓄電設備は再生可能エネルギーの普及促進に向けてドイツが推し進める「エネルギー転換政策」に必要不可欠だとする提言を発表した。蓄電技術は同政策にと […]

政府系の省エネ・再生可能エネ研究・促進企業であるDenaは7日、揚水発電などの蓄電設備は再生可能エネルギーの普及促進に向けてドイツが推し進める「エネルギー転換政策」に必要不可欠だとする提言を発表した。蓄電技術は同政策にとって当面、重要でないとするレポートをフラウンホーファー研究所などが最近、相次いで発表したことに対応。これらのレポートは現実を無視したものだと批判している。

風力や太陽光を利用した再生可能エネルギー発電は、発電量が天候に大きく左右される。蓄電設備にはこれら電力の発電量が過剰となったときに一時的に蓄えることで、エネルギーの有効利用と送電網の安定をもたらす機能がある。このためDenaは蓄電設備を「エネルギー転換政策の戦略的に重要な支柱の1つ」と位置づけている。

一方、フラウンホーファー研究所などは最近発表したレポートで、再可エネ電力の発電量の増減は大口需要家である工場などが、電力減少時に節電に協力することで吸収できるとの見解を表明した。Denaはこれを、同方式による電力需給の調整効果を過大評価したものだと批判している。

再可エネ電力は発電コストが高いため、他の電源との競争力を保つために助成が行われ、その費用は最終的に電力料金を通して消費者が負担している。蓄電設備が不足すると、過剰に生産された再可エネ電力は低価格で周辺諸国に輸出せざるを得ず、経済的な損失を招く。Denaはこうした事情からも、蓄電設備の拡充が欠かせないとしている。