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2014/10/8

経済産業情報

鉄道労組が無期限ストへ、パイロットストは市民の理解低く

この記事の要約

独鉄道機関士労組GDLは2日、ドイツ鉄道(DB)を対象とする無期限ストライキの是非を問う組合員投票で91%が支持を表明したと発表した。これにより同労組は任意にストを実施できるようになり、7日夜から8日午前にかけては全国的 […]

独鉄道機関士労組GDLは2日、ドイツ鉄道(DB)を対象とする無期限ストライキの是非を問う組合員投票で91%が支持を表明したと発表した。これにより同労組は任意にストを実施できるようになり、7日夜から8日午前にかけては全国的にダイヤを麻痺させた。ドイツではパイロット労組VCもルフトハンザ航空を対象に無期限ストを実施しており、公共交通機関を利用した移動は欠航・運休のリスクが高まっている。

公共放送ARDが同日発表した市民アンケート調査結果によると、GDLのストに理解を示す人は54%に達し、理解を示さない人は41%にとどまった。一方、VCのストではそれぞれ42%、54%と理解を示さない人が多数派となっている。

GDLはベア5%と週労働時間の短縮を要求している。一方、VCはパイロットが給与を受給しながら勤務を免除される最低年齢(実質的な退職年齢)を経営側が現在の55歳から引き上げようとしていることに反発。ストは休止期間をはさみながら長期化しており、現時点で労使合意の兆しは出ていない。

ルフトハンザのパイロットは他の航空会社に比べ給与水準が高いうえ、勤務免除後に(公的年金受給開始年齢まで)受け取る給与も極めて高額なため、ストに対する市民の共感が小さい。