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2014/10/8

経済産業情報

ネット関連2社がIPO、株価は公開価格以下に

この記事の要約

独ネット通販大手のツァランドと、同社の筆頭株主でインターネット関連企業の起業を支援する投資会社、ロケット・インターネットが相次いで新規株式公開(IPO)を実施した。上場前の期待は大きかったものの、株価は両社とも公開価格を […]

独ネット通販大手のツァランドと、同社の筆頭株主でインターネット関連企業の起業を支援する投資会社、ロケット・インターネットが相次いで新規株式公開(IPO)を実施した。上場前の期待は大きかったものの、株価は両社とも公開価格を下回っており、関係者は冷や水を浴びた格好だ。事業の先行きに不安材料が多かったことが響いた。

ツァランドは1日、新規株式公開(IPO)を実施した。初値は24.10ユーロで、公開価格(21.50ユーロ)を12%上回ったものの、株価はその後、急落。終値は公開価格と同じ21.50ユーロとなった。2日には約12%安の19ユーロに落ち込んでいる。

ツァランドは発行済み株式の11%を売り出した。公開価格をもとに計算すると、同社の時価は55億ユーロに達する。

ツァランドは2008年の設立後、急速に業績を伸ばし、売上高は09年の600万ユーロから13年には17億6,200万ユーロへと拡大した。ただ、成長を最優先し利益を度外視してきたため、今年上半期まで利益(EBIT)を計上したことがなく、これが投資家の敬遠を招いたもようだ。

同社に38.2%出資するロケット・インターネットは2日にIPOを実施。同日の終値は37ユーロで、公開価格42.50ユーロを約13%下回った。同社の出資先企業の多くは黒字を計上しておらず、ドイツ有価証券投資家保護協会(DSW)はツァランドとロケット・インターネットへの投資を「投機だ」として、個人投資家に両社の株式を購入しないよう呼びかけていた。