電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は発電設備事業の収益力が今後、低下すると見込んでいる。大型ガスタービン市場が供給過多に陥っているほか、同社が投資額の引き上げを計画しているためだ。エネルギー部門を統括するリサ・デービス取締役が証券紙『ベルゼン・ツァイトゥング』に明らかにした。
発電設備事業はこれまで、シーメンスの収益力をけん引してきたが、今後2~3年間は利益率が落ち込む見通し。同社の中核市場である欧州の成長率が鈍いことや、集中型発電の比重が低下し分散型が高まることも響く。
シーメンスの当該事業では需要減を受けて稼働率が低迷している工場があり、同社は対策を施す考えだ。過剰となっている生産能力を他分野の製品の生産に充てることなどを念頭に置いている。工場閉鎖は現時点で考えていない。