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2015/2/4

経済産業情報

独自動車業界が米国とのFTA支持を表明

この記事の要約

独自動車工業会(VDA)は1月28日ベルリンで記者会見を開き、欧州連合(EU)と米国が締結交渉を進める包括的な自由貿易協定(FTA)、「環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)」への支持を明確に示した。貿易上の障壁が […]

独自動車工業会(VDA)は1月28日ベルリンで記者会見を開き、欧州連合(EU)と米国が締結交渉を進める包括的な自由貿易協定(FTA)、「環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)」への支持を明確に示した。貿易上の障壁が撤廃されれば、輸出に伴うコストと手間が大幅に軽減され、両国・地域で富と雇用が拡大すると指摘。ヴィスマン会長はTTIPに対する反対派の懸念は理解できるが、共有は出来ないと述べ、懸念は杞憂に過ぎないとの見方を示した。記者会見には大手自動車メーカーの社長の大半が出席し、TTIPの意義を強調した。

EUから米国に自動車を輸出するためには現在、ウインカーレバーやミラー、ショックアブソーバーを現地規格に適合させなければならない。TTIPが成立しEUと米国がそれぞれの規格を相互承認すれば、規格の相違から生じる二重の開発・テスト・認証・製造といった無駄を省くことができ、企業は資金や労力を技術革新など別の分野に振り向けることができる。

BMWのライトホーファー社長は独自動車業界が米国で支払う関税が年10億ユーロに上ると指摘。VDAのヴィスマン会長も非関税障壁に伴うコストはその5倍の50億ユーロに達すると述べ、TTIP締結でそうした無駄をなくすこととができると強調した。

中堅自動車部品メーカー、キルヒホフのアルント・キルヒホフ社長は、TTIPが成立すれば対米輸出に伴う煩雑な事務手続き・費用がなくなるとして、同協定が中小企業にとっても大きな追い風になるとの見方を示した。

TIPPに対しては環境・消費者・被用者保護の基準が掘り崩されるほか、EUの立法措置に米国が事前介入できるようになるといった批判がEU内にある。

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