欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2015/2/4

経済産業情報

反イスラム運動がにわかに分裂

この記事の要約

昨年秋の発足以降、急速に成長してきたドレスデンの反イスラム市民運動「西欧のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA)」が1月末に突然、分裂した。運動創設者の不適切な行動と、ライプチヒの類似組織「LEGIDA(西欧の […]

昨年秋の発足以降、急速に成長してきたドレスデンの反イスラム市民運動「西欧のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA)」が1月末に突然、分裂した。運動創設者の不適切な行動と、ライプチヒの類似組織「LEGIDA(西欧のイスラム化に反対するライプチヒ)」との関係をめぐる幹部の争いが原因となったもようだ。分裂によりPEGIDAの勢いがどの程度、弱まるかは現時点で予想できない。9日に行われる定例デモの参加者数が今後を占うカギとなりそうだ。

PEGIDAの運動は定例デモの形で10月20日に独東部のドレスデンで始まった。参加者は当初、350人にとどまっていたが、その後、急速に増加。12月8日には1万人に達し、1月12日は2万5,000人を記録した。12月中旬からは他の都市にも飛び火して、同様のデモが行われている。

創設者は窃盗、傷害、薬物所持など数多くの犯罪経歴を持つルッツ・バッハマンという活動家。排外的な発言を9月に行っていたことが発覚し警察当局が捜査を開始したほか、独裁者ヒトラーの物まねメイク姿をフェイスブック上に投稿したため、批判を受けて1月21日に委員長を辞任した。だが、その後も運動の主導的な立場を保とうとしたため、他の幹部の怒りが爆発。PEGIDAよりも極右色の強いLEGIDAとの関係をめぐって幹部内で意見が対立したこともあり、幹部6人が1月27日に脱退。新たな運動の立ち上げ準備を開始した。

この運動は「欧州の直接民主主義」という名を採用する予定。欧州のあらゆるレベルで直接民主主義を導入するとともに、ドイツの難民・移民政策の改革を目指す方針で、メディアなどで強い批判を受けた反イスラム色については前面に押し出さないとしている。

企業情報
経済産業情報
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |